私が建築設計の仕事を通して、どのように〈もの〉を見ているかをご紹介いたします。
このイメージ像の中で自分がどの位置にいて何を目指すべきか考えます。

時代の変遷を貫いて生きるもの

建築の素材について考えてみます。外壁の材料は競合する建材メーカーが常に新しい材料を開発しています。しかしながら、人工的に作り出された材料は、いづれも時間の経過と共に汚れ、色褪せて、魅力を失っていきます。一方、木と石の自然の素材は新しいときの魅力を放ち、時間の経過と共に経年変化に伴った古色の味わいを醸しつつ、その都度魅力を変化させながら行き続けます。新しさの中の価値、古さの中の価値が見出され続けます。
 変化する生活(ライフスタイル)に応じて、魅力を放ち続ける建物(家)は大変愛らしいものです。私共は次の信念を持って、家づくりに関わりたいと思っています。

[その人(家族)のライフスタイルをきちんと汲み取り、その変化の対応に包容力を持って対応できる]ことが、建物(家)の根源にあるのではと思います。