設計室Fillより、住まい作りに関する様々な出来事を解説する企画「住まいづくりノート」です。

「機能の必要性」

今年度完成予定のK様邸は、1月末に基礎工事が終わり、2月に入って建物周辺に埋没する配管工事を行いました。

スプーンのデザインのあり方を譬えて、建築設計のあり方がよく説明されます。スプーンは、「すくうこと」と「持つこと」の使い方の組み合わせから様々な形が生まれます。何をどれだけの量を、どのように動かすのか(計量する、食べる、飲むetc…)これらの機能の必要性を研究して、スプーンの形は数え切れないほど作り出されます。

スプーンは、すくうものの大きさや形状、やわらかさや粘りなど、多種多様に変化している。扱う者によっても動作を考慮した上でより適した形になっていく。

そして、それぞれにふさわしい形が生まれます。これに加えて使う人達の好みが加わり、さらに多くのスプーンが生まれます。

建物の設計では、住宅が最も奥が深く、面白いと云われます。人それぞれの住み方(使い方)があり、これを突き詰めて纏めていく中で形が生まれます。そして、人それぞれの好みによりデコレーションを加えると、これは、1軒1軒の家が尽きることなく様々な家になります。

では、住み方の検討はどのように行えばよいでしょうか。・・・次回に続く