第442回1人にだけ渡した結婚資金…他の子どもたちと差をつけずに揉めない方法は?放送日:2026.9.30

  • 大木さん:皆さま、こんにちは。大木文香です。絹川先生、今月最後の放送になります。本日もよろしくお願いします!
    絹川先生:絹川です。よろしくお願いします。
    大木さん:さて先生、今月のテーマは「事例で学ぶ!我が家の相続トラブル予防策」です。身近に起こりそうな事例を通して、円満な相続のヒントを学んでいきましょう。
  • 【事例】
    最近「終活」という言葉を耳にするようになり、相続対策を始めたEさん。Eさんの財産は持ち家と預貯金です。奥さまは既に亡くなっており、息子3人が相続人です。息子2人はまだ結婚していませんが、1人は最近結婚したため結婚資金として数百万渡しました。Eさんは今後、他の息子たちが結婚する際にも結婚資金を渡したいと考えていますが、現状としては、息子3人で争いが起きないように、まだ結婚していない2人には多めに財産を残すことを希望しています。

    絹川先生:親御さんとしては子供たちを平等に扱いたいという、とても温かい思いですね。この結婚資金として渡した数百万円も、先ほどお話しした「特別受益」、つまり遺産の前渡しとみなされる可能性が高いです。
    大木さん:もし何も対策をせずにEさんが亡くなってしまったら、兄弟間で「自分たちだけ損をしている」と揉めてしまう心配もありますよね?
    絹川先生:その通りです。何の書き残しも無いと、「結婚資金は祝い金だから関係ない」と主張する結婚した息子さんと、「遺産の前払いだから差し引くべきだ」と主張するお二人との間でトラブルになってしまいます。
    大木さん:では、Bさんの希望通り、まだ結婚していないお子さんに多めに財産を残し、争いを防ぐにはどうすれば良いでしょうか?
    絹川先生:一番確実な対策は、「理由を添えた遺言書を作成すること」です。遺言書の中で「〇〇には生前に結婚資金を援助したため、他のふたりにはその分を考慮して多めに財産を分けます」と明確に指定しておくのです。
    大木さん:遺言書でしっかりと理由が書いてあれば、息子さんたちも納得しやすいですね。
    絹川先生:はい。さらに、遺言書には「付言事項(ふげんじこう)」として、子供たちへの感謝や『兄弟仲良く助け合ってほしい』というメッセージを残すことができます。この一言があることで、残されたお子さんたちも感情的に納得しやすくなるのです。
    大木さん:生前の援助やご家族への思いをしっかり形にしておくことが、トラブルを防ぐ最大の鍵なんですね。今月は5回にわたって具体的な事例と予防策をお届けしてきました。
    絹川先生:ありがとうございました。あ、今月のテーマのまとめとして「我が家の相続トラブル予防対策検定」を作成してみたんですが大木さん挑戦してみますか?


    「5問中4問以上正解で“相続トラブル予防マスター」です!それではどうぞ


    第1問
    父が亡くなり、遺言書がありません。父名義のアパートを長男がずっと管理していました。アパートを誰が相続するか決まるまでに発生した家賃収入は、原則どうなるでしょう?

    A.管理していた長男がすべて受け取る
    B.相続人全員で法定相続分に応じて分ける
    C.すべて国に納める

    正解:B
    アパートを誰が相続するか決まるまでの賃料収入は、原則として相続人全員に帰属します。


    第2問
    高齢の母の物忘れが増えてきました。母名義の土地を将来売却して介護費用に充てたい場合、特に重要なことはどれでしょう?

    A.判断能力があるうちに対策を考える
    B.認知症が進んでから売却方法を考える
    C.相続が発生するまで何もしない

    正解:A
    土地の売却などの契約には本人の意思確認が必要になるため、判断能力があるうちの早めの対策が重要です。


    第3問
    父が生前、3人の息子のうち1人だけに数百万円の結婚資金を援助しました。将来の相続で兄弟が揉めにくくするための対策として、今月の放送で紹介された方法はどれでしょう?

    A.結婚資金のことは家族に一切伝えない
    B.相続が始まってから兄弟だけで話し合う
    C.援助した理由や分け方を遺言書に明確に残す

    正解:C
    「誰に、なぜ援助したのか」「その分をどう考慮して分けたいのか」を遺言書に残すことで、本人の意思が伝わりやすくなります。


    第4問
    夫が亡くなった後も妻が自宅に住み続けながら、老後の生活費となる預貯金も確保しやすくする方法として紹介された制度はどれでしょう?

    A.配偶者居住権
    B.相続放棄
    C.成年後見制度

    正解:A
    配偶者居住権を利用すると、自宅に住み続ける権利を確保しながら、預貯金も相続しやすくなる場合があります。


    第5問
    父が生前、子どもの1人に土地を贈与しました。その土地が特別受益として扱われ、具体的相続分を計算する場合、今月の放送では原則どの時点の価額で評価すると説明されていたでしょう?

    A.土地を贈与した時点の価額
    B.父が亡くなった相続開始時の価額
    C.土地を売却した時点の価額
    D.固定資産税評価額だけで決める

    正解:B
    今月の原稿では、贈与時ではなく「相続開始時」の価額で評価すると説明されています。

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タイトル 「教えて絹川先生!文香の知らない相続の世界」
放送時間 毎週木曜日15:20~
出演 絹川忠宏、大木文香