第426回平等な相続にするには?不動産の分け方放送日:2026.6.10

  • 大木さん:皆さま、こんにちは。大木文香です。今週もいしかわ相続サポートセンターの、絹川先生にお越しいただいています。先生、よろしくお願いします。
    絹川先生:よろしくお願いします。先週は「実家の名義変更には家族全員の話し合いが必要」というお話をしましたね。今週は、きれいに分けられない不動産を、どうやって平等に分けていくか、その具体的な方法についてお話しします。
    大木さん:確かに、家や土地はハサミでチョキチョキ分けて配るわけにはいきませんよね。今週も具体的なお悩みです。
  • 【相談事例】
    父が亡くなり、相続人は私と妹の二人です。父の遺産は「2,000万円の実家」と「現金500万円」です。私は長男として実家を引き継ぎたいのですが、妹から「不平等だ。私も半分もらう権利がある」と言われてしまいました。どうすれば円満に解決できるでしょうか。 大木さん:お兄さんが2,000万円の家をもらって、妹さんが500万円の現金だと、合計2,500万円ですから、妹さんから見ると「お兄ちゃんばかりずるい!」となってしまいますね。
    絹川先生:そうですね。法律上の取り分(法定相続分)は半分ずつ、つまり1人1,250万円ずつになりますから、妹さんが不満に思うのは無理もありません。こうした場合に、不動産を分ける手法として主に4つの方法がありますが 、今回もっともおすすめなのが「代償分割(だいしょうぶんかつ)」という方法です。
    *4つの方法
    方法 内容 向いているケース
    ①現物分割 不動産をそのまま分ける方法 土地を分筆できる、複数の不動産がある
    ②代償分割 一人が不動産を取得し、他の相続人にお金を払う方法 自宅・賃貸物件・事業用不動産を残したい
    ③換価分割 不動産を売却し、売却代金を分ける方法 誰も不動産を使わない、現金で公平に分けたい
    ④共有分割 相続人全員または一部で共有名義にする方法 すぐに結論が出ない、一時的に保有したい

    大木さん:代償分割……また少し難しい言葉が出てきましたね。どんな方法なんですか?
    絹川先生:簡単に言うと、「不動産を丸ごと引き継ぐ人が、もらいすぎてしまう分を、自分のポケットマネーから他の相続人に現金で支払ってバランスを取る」という方法です。今回のケースで計算してみましょう。
    大木さん:ぜひお願いします!
    絹川先生:全体の遺産が2,500万円ですから、平等に分けると1人1,250万円です。長男である相談者さんは2,000万円の実家をもらいますから、本来の取り分より750万円多くもらうことになります。そこで、お父様の遺産である現金500万円はすべて妹さんに譲り、さらに足りない「750万円」を、相談者さんがご自身の貯金から妹さんに支払うことで、2人ともぴったり1,250万円ずつになり、完全に平等になります。
    大木さん:なるほど!自分の貯金から「代わりの償い(代償)」として現金を渡すから代償分割なんですね。これなら妹さんも納得してくれそうです。
    絹川先生:はい。ただ、この方法の注意点は、不動産をもらう人に「代償金を支払うだけの貯金(資金力)」がないと成立しないという点です。もし手元にお金がない場合は、実家を売却して現金にして分ける「換価分割(かんかぶんかつ)」などの別の方法を検討しなければなりません。
    大木さん:不動産の価値をいくらと見積もるかによっても、渡すお金の額が変わってきそうですね。
    絹川先生:その通りです。固定資産税の評価額を使うのか、実際の売り値(時価)を使うのかで揉めるケースも非常に多いです。
  • 代償金の話し合いでは「時価」が基本
    代償分割は、たとえば長男が不動産を取得し、他の相続人に現金で代償金を支払う方法です。
    このとき、他の相続人から見ると「その不動産をいくらの財産として見るか」が重要になります。
    この場面で固定資産税評価額や路線価をそのまま使うと、一般的には実勢価格より低く出ることが多いため、不動産を取得しない相続人から見ると不公平感が出やすくなります。

    そのため、相続人間の公平という観点では、

    評価方法 代償分割での位置づけ
    実勢価格・時価 最も公平性が高い。売却したらいくらになるかに近い
    不動産鑑定評価額 争いがある場合に強い。費用はかかる
    不動産会社の査定額 実務上よく使う。複数社査定が望ましい
    路線価 相続税評価には使うが、代償金算定では低めに出やすい
    固定資産税評価額 建物評価の参考にはなるが、市場価格とはズレやすい


    という整理になります。

    大木さん:家族だけで「いくら払うか」を決めようとすると、どうしても揉めがちです。いしかわ相続サポートセンターでは、不動産の正しい評価を行い、家族全員が納得できる具体的な分割プランをご提案してくれます。まずはプロに相談してみませんか?絹川先生、今週もありがとうございました。

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