第417回誰が引き継ぐ?「相続人の確定」と戸籍の壁放送日:2026.4.8

  • 大木さん:皆さんこんにちは!大木文香です。今週もテーマは「相続のイロハ」。先週は「財産の棚卸し」について学びましたが、中身が分かったら次は「誰がもらう権利があるか」を確定させる作業ですよね、絹川先生?
    絹川先生:はい。専門用語で「相続人の確定」と言います。これが、実は相続手続きの中で最も根気がいる作業と言っても過言ではありません。まずは事例をご紹介します。
  • 【相談事例】
    「父が亡くなり、母と私、妹の3人で手続きを進めようとしていました。銀行へ行くと『お父様の出生から死亡までの戸籍をすべて出してください』と言われたんです。今の戸籍だけではダメなんですか?父は石川県外で生まれた時期もあるようで、どう集めればいいのか途方に暮れています」

    大木さん:出生から死亡まで!先生、今の戸籍だけで証明になりそうな気がしますが……なぜ生まれた時まで遡る必要があるんでしょう?
    絹川先生:銀行や法務局が一番恐れているのは「隠れた相続人の存在」です。
    例えば、今の戸籍ができる前、……数十年前の古い戸籍にだけ記載されている、前妻との間のお子さんや、養子縁組の事実がないか。それらを100%否定しない限り、手続きのハンコをもらう相手が全員揃っているとは言えないんです。
    大木さん:100%の証明……。だから「連続した戸籍」が必要なんですね。
    絹川先生:そうなんです。特に昔の戸籍は「改製」といって様式が変わったり、本籍地を市町村合併や引越しで変えていたりすると、その都度、古い役所へ遡って請求しなければなりません。手書きの「除籍謄本」などは文字が崩れていて、専門家でも解読に苦労することがあるんですよ。
    大木さん:もし、遡った結果、知らない兄弟が一人でも見つかったらどうなるんですか?
    絹川先生:その方の協力なしには、銀行預金1円も下ろせなくなります。連絡先を調べ、事情を説明し、遺産分割協議に参加してもらわなければなりません。
    大木さん:それは大変ですね・・・。自分たちだけでやるのは限界がありそうです。
    絹川先生:はい。私たちは職権で全国の役所から戸籍を取り寄せ、「相続関係説明図」という家系図のような図面を作成します。これが一枚あるだけで、後の手続きがぐっと楽になります。まずは「誰が本当の相続人か」を、法律の目でしっかり見極めることから始めましょう。

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