第403回「遺言執行者」の指定による確実な財産承継放送日:2025.12.31

  • 大木さん:今月は絹川先生に「遺言書の基本」について教えていだいています。円満な相続を迎えるために大切な「遺言書」。せっかく書いても、残された家族が忙しかったり、手続きに不慣れだったりして、なかなか実行に移されないというケースもあるのではないでしょうか?

    実はリスナーからこんな相談が届いています。
  • 【リスナーからの相談】
    遺言書を作成し、『長男には自宅の土地を、次男には預貯金を相続させる』と決めたが、遺産手続きに家族が慣れておらず、特に不動産の名義変更などで手間取ったり、兄弟間で手続きの責任を押し付け合ったりすることを心配しています。確実に、遺言通りに手続きを完了させる方法はないでしょうか?
  • 絹川先生:このケースでは、「遺言執行者」の指定が最善策です。遺言執行者とは、遺言書の内容を実現するために必要な手続きを、相続人に代わって行う人のことです。「遺言執行者」は遺言書の中で指定しておくことができます。
    大木さん:遺言執行者がいる場合といない場合でどのような差があるのですか?
    絹川先生:大きな差が出ます。例えば、預貯金の解約手続きの場合、執行者がいなければ、相続人全員の戸籍謄本や印鑑証明書など、膨大な書類を揃え、全員の署名・捺印が必要になる場合もあります。一方、遺言執行者がいれば、執行者一人の手続きで、預貯金の解約や不動産の名義変更がスムーズに行えます。執行者は「遺言の内容を独力で実現する権限」を持つからです。
    大木さん:それは安心ですね。家族の負担が大きく減ります。では、遺言執行者は誰に頼むのが良いのでしょうか?
    絹川先生:家族を指定することも可能ですが、この事例のように手続きの公平性や確実性を重視するなら、司法書士や弁護士などの専門家を指定することをお勧めします。専門家であれば、感情的なもつれもなく、中立的な立場で手続きを確実に進めてくれます。特に、財産が多い場合や、相続人同士が遠方に住んでいる場合などは、時間と労力を節約するため、専門家への依頼が必須と言えるでしょう。
    大木さん:遺言執行者の指定は、遺言書の「確実な実行」を担保するために不可欠な、基本事項なんですね。
    絹川先生:はい。せっかく時間と労力をかけて遺言書を作成したのですから、その効力が最大限に発揮されるよう、「遺言執行者の指定」まで含めて考えることが、遺言書の基本の総仕上げとなります。
    大木さん:遺言書の作成はもちろん、この遺言執行者の指定についても、お気軽に専門家までご相談ください。

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