第399回「争いを防ぐ」ための遺言書の基本の役割放送日:2025.12.3
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大木さん:皆さま、こんにちは。大木文香です。そして、相続のプロ、絹川先生にお越しいただいています。先生、本日もよろしくお願いします。
絹川先生:絹川です。大木さん、リスナーの皆さん、こんにちは。
大木さん:さて先生、今日のテーマは「遺言書の基本」です。これは、家族を持つ多くの方にとって、いつか考えなければならない大切なテーマですね。
絹川先生:その通りです。遺言書は、ご自身の想いを反映させるだけでなく、「家族が争わないように、元気なうちに準備するメッセージ」だと捉えてほしいですね。特に、不動産を複数持っている方など、財産構成が複雑な方は事前の準備が必須です。
大木さん:では、遺言書がどのように役立つか、具体的なケースで考えてみましょう。
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- 【リスナーからの相談】
- 財産のほとんどが自宅の土地と建物です。娘と息子がいるのですが、どちらも自宅の権利を主張しており、将来相続がはじまったときに二人が揉めることを心配しています。このような場合、遺言書は有効でしょうか?
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絹川先生:はい、これが遺言書のもっとも基本的な役割の一つです。遺言書に「この不動産は長男(あるいは長女)に相続させる」と明記すれば、遺産分割協議を行う必要がなく、ご自身の意思通りに財産を承継させることができます。不動産は物理的に分けることが難しいため、特に遺言書がないと争いの原因になりやすい典型的な財産です。
大木さん:なるほど、遺言書があれば「誰に何を」渡すか、明確に決められ、家族間のトラブルを未然に防げるわけですね。遺言書がないと、どのような問題が起こり得るのでしょうか?
絹川先生:遺言書がないと、相続人全員の話し合い(遺産分割協議)が必須になります。全員の署名・捺印がないと、自宅の名義変更や、預貯金の解約もできません。もし話し合いがこじれてしまうと、家庭裁判所の調停や審判に移行し、解決までに数年かかることも珍しくありません。その間、自宅の売却はもちろん、維持管理も滞ってしまうリスクがあります。
大木さん:解決に数年ですか…。それは家族にとって大きな負担ですね。遺言書は、財産を分けるだけでなく、家族が将来協力し合える環境を残すことにもつながるのですね。
絹川先生:その通りです。そしてもう一つ、遺言書には「付言事項(ふげんじこう)」といって、法的な効力はないけれど、家族への感謝の気持ちや、財産の分け方を決めた理由などを書き残すこともできます。この一言が、遺言書の内容を家族に納得してもらい、「争い」を「笑顔」に変える大きな力になるのです。
大木さん:「遺言書は争いを防ぐもの」。そして「家族の絆を守るもの」。これが遺言書の基本なんですね。
絹川先生:ただし、形式に不備があると無効になるリスクもあります。公正証書遺言であれば、証人の手配や公証役場との打ち合わせなど、専門的なサポートが必要となります。
大木さん:せっかく書いた遺言書を無効にしないためにも、作成方法や具体的な書き方、そして家族への想いの伝え方については、ぜひ先生のような専門家にご相談ください。
ラジオ番組
教えて絹川先生!
文香の知らない相続の世界
パーソナリティと相続について楽しく学ぶラジオ番組です。
身近な事例を元に、相続にまつわるトラブルや
疑問を分かりやすく解説しています。
| 放送局 |
北陸放送 |
| タイトル |
「教えて絹川先生!文香の知らない相続の世界」 |
| 放送時間 |
毎週木曜日15:20~ |
| 出演 |
絹川忠宏、大木文香 |