第395回「争いを避けたい」夫の願いと生前贈与の基礎放送日:2025.11.5
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大木さん:皆さん、こんにちは。今週も相続について、絹川先生と一緒に学んでいきたいと思います。先生、本日もよろしくお願いします。
絹川先生:はい、よろしくお願いします。
大木さん:さて先生、今日のテーマは「生前対策」です。元気なうちに将来の相続に備える、というのは、この世代にとって避けて通れないテーマですね。
絹川先生:そうですね。ご自身の想いを反映させ、家族の争いを未然に防ぐ。そのための準備を生前に行うことは、非常に大切です。
大木さん:さあ、本日は、実際にあったお悩みの相談をご紹介しましょう。
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- 【事例:不動産の分け方】
- 「60代の男性からのご相談です。わたしは結婚しており、子どもが二人います。長男は最近結婚し、現在は実家近くのアパート暮らし。将来的には、長男夫妻にこの家を継いでほしいと考えています。ただ、相続の際に兄弟間で揉めごとが起きないか心配です。元気なうちに家を長男に渡す、何か良い方法はないでしょうか?」
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絹川先生:よくあるお悩みですね。このケースで有効なのが「生前贈与」です。生前に不動産を長男に渡すことで、遺産分割の対象から外すことができます。ただし、贈与には贈与税がかかります。ここを理解しておかないと大変です。ポイントは「贈与税の非課税制度の活用」です。例えば、住宅取得資金の贈与の特例や、毎年110万円まで非課税になる暦年贈与の活用など、税金の知識をもって計画的に行うことが大切です。
大木さん:なるほど。ただ渡すのではなく、税金の対策をしっかりする、ということですね。ちなみに、次男さんへの配慮も重要になってきますね?
絹川先生:その通りです。次男には、実家を相続しない代わりに現金を残す、あるいは、遺留分(最低限もらえる相続財産)を侵害しない範囲で、遺言書で長男への贈与の意思を明確にしておくことが、争い防止につながります。生前贈与は、亡くなる方の意思を確実に実現できますが、税金や他の相続人への配慮など、専門的な視点が不可欠です。自己判断で進めず、専門家に相談することで、一番良い方法が見つかります。
大木さん:今回の事例のように、「家族の争いを避けたい」という想いを実現するためにも、ぜひ、元気なうちに動き出しましょう。具体的な税金対策や手続きについては、いしかわ相続サポートセンターへお気軽にご相談ください。プロの視点で、あなたの家族に合ったプランをご提案します。次回もお楽しみに。
ラジオ番組
教えて絹川先生!
文香の知らない相続の世界
パーソナリティと相続について楽しく学ぶラジオ番組です。
身近な事例を元に、相続にまつわるトラブルや
疑問を分かりやすく解説しています。
| 放送局 |
北陸放送 |
| タイトル |
「教えて絹川先生!文香の知らない相続の世界」 |
| 放送時間 |
毎週木曜日15:20~ |
| 出演 |
絹川忠宏、大木文香 |