第370回相続人ではない人に、相続財産を渡したい場合遺言書を残しましょう。放送日:2025.5.14
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- 【事例】
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Aさんは最近遺言を書き始めました。法定相続人はAさんの妻、そして疎遠になっている兄です。
ただ、Aさんには妻と、妻の連れ子にあたるBさんがいます。AさんはBさんを実の息子のように可愛がっていますが、出会ったときからBさんが成人していたこともあり、養子縁組はしていません。AさんはBさんにも相続財産を渡したいと思っていますが、遺言書に記載しておけば問題ないでしょうか。
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- 【解説】
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家族関係が複雑である場合、遺言書は必須です。
まず整理すると、Aさんの法定相続人は妻、そして疎遠の兄。
法定相続分は、どれだけになるか大木さんわかりますか?
大木さん:妻が3/4で兄が1/4になります。
絹川先生:そうですね、もちろん、「妻の連れ子」は法定相続人ではありませんから、今回の事例ではBさんに財産を残したい場合、遺言書が必ず必要になります。また、遺言書を書かないまま、妻に先立たれた場合、AさんはBさんに財産を渡せなくなることも考えられます。
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- 【遺言書で「意志を残す」こと】
- Aさんと長男で養子縁組をする方法もありますが、まずはしっかりと遺言書を残し、相続人を確定させましょう。遺言書の形式のひとつである「公正証書遺言」では、相談者本人の意思が反映できる遺言書を公正証書として残すことが可能になります。自筆で作成した遺言書とは違い、形式の不備などで無効になることもありませんから安心です。
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- 【遺留分は?】
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絹川先生:大木さん、今回の「疎遠の兄」に相続権はあると思いますか?
大木さん:兄弟にはたしか相続権がなかったような…
絹川先生:そうですね、「疎遠の兄」に相続権はありますが、最低限の財産分与を求める「遺留分侵害額請求権」はありません。よって今回のケースでは遺留分に気を付ける必要はありません。
ラジオ番組
教えて絹川先生!
文香の知らない相続の世界
パーソナリティと相続について楽しく学ぶラジオ番組です。
身近な事例を元に、相続にまつわるトラブルや
疑問を分かりやすく解説しています。
放送局 |
北陸放送 |
タイトル |
「教えて絹川先生!文香の知らない相続の世界」 |
放送時間 |
毎週木曜日15:20~ |
出演 |
絹川忠宏、大木文香 |