第365回親の再婚と遺産相続放送日:2025.4.9
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- 【事例】
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先日、父が再婚することになりました。母は10年前に病気で亡くなり父は長く独身でしたから再婚を応援してあげたい気持ちもありますが、これまでの家族の財産が、将来新しいパートナーに1/2も相続されることを考えるとなんだか複雑な思いです。こんなとき、何か良い対策はないのでしょうか。
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- 【解説】相続人全員で話し合い、全員が納得する内容で遺言書を書くか生前贈与を活用しましょう。
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相続がらみで、親の再婚に子どもが反対する、もめ事になる、というケースは珍しくありません。
反対する側からすれば、もしもの時には、突然現れた他人に親の遺産の半分を持って行かれるのですから、横取りされるように感じたり、財産目当てでは?と疑心暗鬼になったりすることもあるでしょう。
しかし、このままでは、お子さんと再婚の奥さんの間にわだかまりが残ります。人生をリセットして新たなスタートを切るお父さんを応援しつつ家族間でももめ事が起きないようにするにはどうすればいいか考えてみましょう。
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- ≪相続開始前の相続放棄は無効≫
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もしかするとこの時点で「新しい妻には生前から相続放棄してもらえばいいのでは」と考えるひともいるかもしれません。ですが、被相続人の生存中に、その遺産の相続放棄の約束をしても法的に無効であり、何の拘束力もありません。
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- ≪生前贈与でこどもの取り分を増やす≫
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お子さん達が相続放棄を要求する主な理由は、両親が苦労して築いた財産を、赤の他人に横取りされることへの割り切れない感情ではないでしょうか。その気持ちを汲んで、生前贈与で、財産を一部前渡しするのはいかがでしょうか。
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- ≪相続人全員が納得できる遺言書を作成する≫
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一番のおすすめは、遺言書の作成です。再婚後の早いうちに、子ども達の感情に配慮し、新しい奥さまの老後の生活の事も考えた内容の、正式な遺言書を作成しておきましょう。なかなか結論が出せない場合、専門家に相談して、実際の事例に照らしたアドバイスを受けるという方法も検討されるといいでしょう。その上で正式な遺言書を作成します。付言事項に、お子さんへの思いや、亡き奥様への感謝、再婚相手への配慮など、正直な気持ちを述べておくことをおすすめします。
ラジオ番組
教えて絹川先生!
文香の知らない相続の世界
パーソナリティと相続について楽しく学ぶラジオ番組です。
身近な事例を元に、相続にまつわるトラブルや
疑問を分かりやすく解説しています。
放送局 |
北陸放送 |
タイトル |
「教えて絹川先生!文香の知らない相続の世界」 |
放送時間 |
毎週木曜日15:20~ |
出演 |
絹川忠宏、大木文香 |