第231回遺言書をつくる。放送日:2022.09.22

  • 【質問】
    私は自営業を営んでおり、長男には家を継いでもらいたいと思っています。
    そのため、遺言書を作成しようと思いますが、調べたところ、遺言書には公正証書遺言、自筆証書遺言という方法があることが分かりました。自筆証書遺言の方が費用もかからないようですし、簡単そうなのですが、それだけで自筆証書遺言にして良いものでしょうか。公正証書遺言と自筆証書遺言ではどちらが良いのでしょうか。
  • 【回答】
    ★ポイント
    ・「公正証書遺言」は公証人が作成しますので誤りがなく、原本も公証役場に保管され、安心です。
    ・「自筆証書遺言」は費用がかからず、手軽に作成することができます。
    ・遺言書の作成に際しては、法律・税金の観点も考慮しましょう。

    公正証書遺言も自筆証書遺言も、遺言書としての効果においては同じですが、効果を得るために遺言書としての要件を備える必要があります。
    一般的に、公正証書遺言は公証人が作成する文書ですので誤りがなく、偽造・変造等の虞もありませんが、公正証書遺言の作成には費用がかかります。一方、自筆証書遺言はそういった費用はかからず手軽に作成できますが、遺言者自身が作成しますので、要件が整っているか否かはご自身で確認する必要があります。
    また、ご自宅などに保管された場合は偽造・変造等の虞がありますので、法務局(遺言書保管所)での保管も検討する必要があります。それぞれのメリット・デメリットを考慮いただき、方法をお選び頂くのが良いと思っております。
    遺言書を作成された方のお考えを実現し、残された家族が幸せに過ごされることが最も大切です。この観点から申しますと、形式不備が起きやすい自筆証書遺言よりも、費用はかかりますが、公正証書遺言を作成することをお勧めしております。
    更に、残された家族が生活に困ることのないように、法律・税金の観点からもさまざまなケースを検討しながら、遺言書を作成することが重要になります。