第216回相続対策「分割対策」放送日:2022.06.09

  • 【事例】
    • 今後にそなえて相続対策を考え始めたA子さん。
      A子さんには息子と娘がいます。
      しかし、残念なことに二人の子どもたちは不仲で疎遠状態です。
    • 財産は今住んでいる自宅3,000万円と預貯金1,000万円のみ。
      A子さんは、相続がはじまったときに2人が揉めて大きなトラブルに発展することがないよう対策をしておきたいと考えています。
    • A子さんの思いとしては、息子は既に家庭をもっており家をでているので、長年一緒に暮らしている娘には自宅に住み続けてほしいと考えています。
  • 【整理】
    相続財産:自宅3,000万円と預貯金1,000万円
    相続人:娘、息子
  • 今回のケースの場合、相続人が2名いるのに対し不動産が1つしかありません。もし遺言書などの用意のないまま相続が開始すれば、法定相続分通りに分けることになりますから、財産は1/2ずつ。つまり、自宅不動産を売却し現金化したうえで相続人間で均等に分けることになります。そうなると、A子さんの言う「娘には自宅に住み続けて欲しい」という願いは叶わなくなるでしょう。
  • しかし、娘へ自宅を相続すること、預貯金は息子に相続することを遺言書に書いておけばトラブルへ発展することもなく、A子さんの思いも叶えることができます。
  • また、遺言には遺産分割の指定だけでなく、「付言事項」でご家族や大切な人にメッセージや感謝の気持ちなどを記載することができます。残された家族に円満な相続を進めてもらうためにも遺言をのこすことは有効な手立てと言えるでしょう。
  • 遺言書を書く上では、様々な気を付けるべき点もありますから相続時のトラブルを防ぐためにも専門家に相談することをおすすめします。