第183回ローンが残った家放送日:2021.10.28

  • 【質問】
    先日夫がなくなり、残されたのは私(妻)と幼い子供のみとなりました。現在住んでいる家は、5年前夫がローンで購入した一軒家ですが、ローンはまだ完済していません。幼い息子を育てることを考えると、すぐに働くこともできないため、預貯金を切り崩してローンを払い続けることは難しいです。私たちは、自宅を手放すほかないのでしょうか。
  • 【状況整理】
    登場人物:夫、妻、息子
    財産内訳:自宅不動産(住宅ローン:残債務有)、預貯金
  • 問題:
    • Q1.自宅に住み続けることはできる?
      ─ できる場合もある。
    • Q2.「相続放棄」ができるのはいつまで?
      ─ 相続発生後3か月
  • 【解説】
    住宅ローンを組む際に団体信用保険に加入していたら、住宅ローンの残債務は保険で完済されることになりますので、団信に入っていたかどうかをすぐに確認してください。
    団信に加入していたかどうかわからない場合は、住宅ローンを組んだ金融機関に問い合わせてみましょう。団信に加入することが住宅ローンの条件になっていることが多いため、金融機関は団信保険の加入について把握しているのです。
  • ◆団信に加入していたら
    被相続人が団信に加入していると分かった場合は、すぐに保険金の請求をしてください。請求する際は金融機関から「団信弁済届」を受け取り、必要事項を記入して提出しましょう。団信の請求には「時効」があり、3年間請求しないでおくと、保険金の請求ができなくなってしまうためです。
  • ◆団信に加入していなければ
    被相続人がもし団信に加入していなかったら、相続人が被相続人に代わってこれから借金の支払いをしていかなければいけません。支払額はもしかしたら相続人には負担できない可能性だってあります。このような場合は、借金の相続を回避するための手続である「相続放棄」を検討するとよいでしょう。