第113回不要な不動産を相続した場合放送日:2020.06.25

  • 登場人物:父(故)、母(死亡)、息子(質問者)、娘
  • Q.先日、母が亡くなり、実家を相続することになりました。しかし、将来的に田舎に戻ることは考えておらず、実家を今後どうすべきか悩んでいます。不要な場合でも相続しなければならないのでしょうか。
  • A. 質問者のように、実家の空き家を相続したら、どのように活用していけばよいか分からない方も多いと思います。不動産を相続したら、たとえ使わなかったとしても、固定資産税を支払う必要があり、管理の手間もかかります。

    もし、ご実家を相続したくない場合、相続する前であれば、「相続放棄」を選ぶことも可能です。
  • ☆復習☆
    相続放棄とは、被相続人(財産を残して亡くなった人)の財産を放棄することを言いますが、このとき、特定の財産だけを放棄することはできません。例えば、相続財産が田舎の家と預金1,000万円だったとしましょう。預金の1,000万円だけを相続し、田舎の家だけ相続放棄できればよいですが、そういったことは認められていないのです。つまり、相続放棄をした場合には、田舎の家だけでなく預金に関しても一切相続ができなくなってしまうのです。

    また、相続放棄をするには、相続開始(被相続人が亡くなった日)から起算して3ヶ月以内に家庭裁判所に申し立てる必要があります。そうすることで、あなたは相続開始時から相続人ではなかったという扱いになり、相続放棄ができるのです。しかし、あなたが相続放棄をすると、別の人が相続人になる可能性があるので注意が必要です。というのも、順位の低い法定相続人に相続権は移行するからです。

    相続放棄をするのであれば、トラブルを避けるため、次に相続人となる方に連絡をしておく必要があるでしょう。

    もし、あなたが、相続放棄もせず、ご実家を相続することになった場合、不要であれば「売却」「寄付」することも可能です。空き家として放置すると、固定資産税がかかったり、管理費用がかかったり、近隣住民からの苦情に繋がったりとトラブルの元になりかねません。放置せず、速やかに専門家までご相談されることをお勧めします。